①現地国関係法令
在ベトナム日本国大使館
「契約に基づいて外国で働くベトナム人労働者に関する法律」関連法令の仮和訳の掲載
https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/69_2020_QH14.html
契約に基づいて外国で働くベトナム人労働者に関する法律
https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/100157800.pdf
契約に基づいて外国で働くベトナム人労働者に関する法律の細則及び 施行措置を規定する政令
https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/100332611.pdf
契約に基づいて外国で働くベトナム人労働者に関する法律の細則を規定 する通達
https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/100332617.pdf
*手数料・家賃等に関する記載アリ
厚生労働省
契約に基づいて外国で働くベトナム人労働者に関する法律 主な改正内容(2022年施行)
一般財団法人外国人材共生支援全国協会(NAGOMi)
契約によるベトナム人海外労働者派遣 法改正の概要
②【ポイント】
◆技能実習1号のサービス料(手数料):基本給×3か月-管理費×36か月
*「-管理費×36か月」について、新法では、サービス料は受け入れ側が支払ったものの残額を労働者が負担するとなっており、「管理費=日本側が支払うサービス料」という扱いになった為です。
◆技能実習3号のサービス料(手数料):基本給×2か月-管理費×24か月
サービス料徴収が可能な場合:1号・2号時の送り出し機関或いは監理団体のいずれか若しくは両方が変わった場合
但し、旧法時(2,400USD)から満額で徴収している送り出し機関は多くなく、今後の監理団体との付き合いを期待し、500~1,000USD程度で設定しているところが多く、新法に変わっても、3号手数料額は相談可能です。
◆家賃は基本給の15%以下
*15%を超えている場合、ベトナム海外労働管理局(DOLAB)より推薦状が発行されません。申請時に指摘アリ。
◆3社枠撤廃
*協定書提出時に、求人票を同時に提出する必要アリ。空契約防止⁇
◆日本側作成の提出書類増加
・監理団体許可証
・求人依頼書(監理団体署名・捺印)
・求人依頼書(実習実施者署名・捺印)
・実習実施者登記簿(発行から〇か月以内というルールはありませんが、代表名が変わっている場合等は新規発行が無難です。
◆協定書横並びルール撤廃
*既に契約済の送り出し機関との協定内容を下回ってはいけないというルールは撤廃済です。
◆新規ライセンスの取り直しに伴う旧送り出し機関籍の実習生を新送り出し機関籍に移籍させることは不可です。
*失効済の旧ライセンスはベトナム側では当然送り出し機関としては認められず、協定書の契約、推薦状の申請等は当然不可です。但し、既に入国済の旧籍実習生は帰国までそのまま管理義務があります。監理団体で旧籍・新籍の実習生が混在している場合、送り出し機関への送り出し機関への送金口座を分ける必要があり、口座を間違えると税務上の対策で銀行への説明書(監理団体署名捺印原本)を提出する必要があり煩雑です。
③【送り出し機関に支払う費用の相場】
管理費(一般職種):5,000円以上/人/月
管理費(介護):10,000円以上/人/月
講習委託費(一般職種):15,000円以上/人
N4取得訓練費(介護):100,000円以上/人
航空券(とりあえず片道):約30,000円/人
PCR検査(必要に応じて):約3,000~5,000円/人
④【本人負担の手数料等】
新法施行に伴い、手数料計算は上記の通り、基本給に基づくものとなりましたが、未だ新法を厳格に適用せず、旧法の3,600USD+αを徴収しているところも多いです。
また、送り出し機関の費用設定は職種や求人によって異なることも多く、一律にいくらという設定をしている送り出し機関はあまり多くありません。募集の難易度によって上下動することが多いです。
費用の内訳を提示することもなく、更に提示された金額の内訳も曖昧なことが非常に多いです。
以下の写真は送り出し機関と募集ブローカーが参加しているZalo(ベトナム製メッセンジャーアプリ)のグループに投稿されている求人内容です。
費用は6,500USDと書いてありますが、その内訳の一切は不明です。又、その他追加費用が発生するのか否かも不明です。
費用は6,700USDと書いてありますが、上の写真と同様に内訳も追加費用の有無も不明です。
総額としては、70~90万円かかっている実習生は未だに少なくありません。
⑤【送り出し機関選定】
・代表者の経営観
→送り出し機関の規模に関係なく、監理団体の窓口は一営業職員が担うことが多く、代表者の経営観はそのまま窓口職員の意識に表れます。金金金か否かを見定めましょう。
・コンプライアンス
→OTITの監査も厳しくなっている昨今、現地国内法を遵守していない送り出し機関との取引はいつ処分を受けてもおかしくない状況です。法令遵守の意識の低さは失踪に代表されるトラブルの発生に繋がります。出入国在留管理庁から今後失踪の発生具合で処分を厳格化していく旨の施策も出ています。
出入国在留管理庁
失踪技能実習生を減少させるための施策
https://www.moj.go.jp/isa/content/001350543.pdf
・教育に対する姿勢と体制
→上の代表者の経営観から直結するものですが、一人送っていくらの派遣業意識が強いのか、人づくりの教育事業意識が強いのかが教育体制に表れます。
日本人教師の有無はそこまで重要ではありませんが、
・ベトナム人教師の能力(約6か月、最も教える時間が長いのは担任をするベトナム人教師です。)
・一クラス当たりの学生数(20名を超えるクラスコントロールは不可能です。)
・使用教材(対技能実習生の日本語教育は『みんなの日本語』だけでは不十分です。)
ここは必ずチェックしましょう。
・Noと言えるかどうか(何でもかんでも「ダイジョーブデス!!」ではないか)
→現在のベトナムにおいて、送り出し機関が受けられない職種・受けられない条件というものが確実に存在します。それにも関わらず何でもかんでもOKという送り出し機関は非常に危険です。
求人を出したはいいものの、全く音沙汰がなく、塩漬けになる可能性も高く、面接に参加する人材も募集ブローカーや送り出し機関に騙されているか、嫌々参加させられている可能性も高く、挙句の果てにはサクラである可能性すらもあります。そんな人材が日本へ入国してもろくな未来は待っていないでしょう。