特定技能の関係法令においては特に登録支援機関として関与できる分野は制限されていません。各分野の要件を満たす限り、現行12分野どの職種で働く特定技能外国人も支援を行うことはできます。同じく(相談体制が構築できるのであれば)国籍についても特に制限はありません。
とはいえ、特定技能事業を運営するにあたり採算が取れなければ意味がありませんが、かといって、やみくもにどの地域のどの分野でも手を出すだけでは他社との差別化が図れません。

 差別化について考えるにあたり、まず初めに考えられるのは支援実施地域/支援実施分野/特定技能外国人の国籍でしょうか。
登録支援機関は4半期ごとに定期面談を実施する義務があります。また、特定技能外国人が急病になった場合などには緊急対応が必要な場合があります。これらの支援業務は常勤の支援担当者のみが実施できます。このため、あまり所属機関の地区を広げ過ぎてしまうと、十分な支援業務を実施できず、特定技能所属機関および特定技能外国人からの信用を失ってしまうことになりかねません。

 続いて、特定技能外国人の受入れにあたり現状12分野ありますが、どの職種においても専門の知識や慣習があり、また特定技能所属機関によって必要とする人材の基準が異なります。登録支援機関として、顧客の要望を十分にヒアリングした上で、従事する業務の特性や処遇、募集内容に適切なアドバイスが出来なければ、特定技能所属機関にとって数ある業者の一つの位置づけを脱却することが出来ません。各社に寄り添って時には厳しく指導することが出来る関係性にならなければ長いお取引相手にはなりません。

 最後に国による違いですが、ここは貴社が提携する現地送出機関のレベルにより大きく異なります。単に募集条件にマッチする人材を右から左に送出すだけなのか、登録支援機関(職業紹介会社)と送出機関が特定技能所属機関の状況や考え方、募集内容をきちんと共有して人材を選定出来ているのかによって、受入後の支援の手間も変わってきます。

 もちろん、上記以外にも差別化の方法は無限にあります。しかしながら、基本的なところすらまともに実施出来ていない登録支援機関が多々あるのが現状です。