みんな見えない落とし穴にハマっていく。ものの見事にハマりこんでいく。

それは、常に全体像が見えていないから。

 目の前の問題を解決する際に、その選択をした後、どういうリスクが起こりうるのかが見えていない、想像力がおぼつかないから。

 例えば、面接に行った際に、あまり良い候補者がエントリーしておらず、それでもせっかくわざわざ海外まで来たのだからと、妥協して合格者を選んでしまった。それは、許容範囲を超えるリスクを大きくはらんでいた。この場合、後に誰もがとんでもないマイナスを抱えるようになることが考えられるから、『採用なし』の選択が正解かもしれません。
 この件に関しての受入先からのクレームは後でどうにか考えて対応しましょう。お客さんがいなくなろうが、大きなマイナスを抱えるほうが、よほどリスクが高い。結果、あの時、採用しなければと後悔するのが目に見えているから。

 例えば、この雇用条件の労働日数が年によって元受けからのカレンダーに応じて、毎年労働日数が変わる。曜日周りや「うるう年」などでも日数が変わる。「まぁ、こんな細かいところまでは問題ないでしょう。営業担当(現場担当)もそこまで見てないし…」
コレ、出るところ出たら、「賃金不払い」です。
時間単価も変わるので、「残業代も不払い」です。
 現実論として、こういうリスクを承知で、受入先共々、受入を進めているのであればまだしも、(現実問題として、こう言ってるだけです)知らなかったでは、プロとして残念な対応であり、受入先からの信頼は築けません。
 ちなみに、このリスクを承知で対処することなく受入を進めるのであれば、賃金不払いの監査報告を上げるべきか、そうしなかったら、受入先共々、グルで悪質な監理団体として、機構や入管にマークされかねないリスクはゼロではないと承知しておきましょう。
 残念な先は、こういったリスクすら気づこうともせず、怒られたら直せばいい…そういう乱暴なところは少なくありません。脇が甘いのは、自監理団体としても、受入先にとっても決して好ましいものではありません。もし自身の所属先がそうであった場合は、せめてわが身を守るために自分の管轄分だけでも…。

 経験と一言で言ってしまえばそれまで。だけど、ココでその心構えさえちゃんと頭の片隅に入れておけば、このアカデミーで、諸先輩方の助言を自身の疑似体験かの如く、経験知に足していければ、後はアナタの想像力、応用力次第です。

 残念ながらケースバイケースに都度返答できることは、このサイトだけでは対応できません。また、そのケースごとに横たわる背景や諸事情などまで含めると、担当者のアナタ以外に、配慮して正解の選択肢を導き出せる人は誰一人いません。
 みんなハマるなら、それは通るべき道と考える方もいれば、ハマらず避けられるなら、避けるべきと考える方も人それぞれですが、振り回される先の相手の顔を思い出せば、振り回さずに済むのに、そう対応しないとしたら、アナタが自分で自分が残念な人だと、自分に対して嘘をつくことになり、それは後々、自分の人生を不幸せにしていきます。
 所属する組織の為、受入先の為、実習生の為、ほかの誰の為でもない、アナタ自身の為に、できるコトすべきコトは、コツコツと自分で対応するようにしましょう。

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