技能実習生の受け入れ時に最低限実施しておくべきことがあります。

・貸し出し支給品のリスト保存
・室内状況、家電製品の貸し出し時の写真撮影(画像保存)
・電化製品の使用方法、宿舎使用規則、室内清掃方法、ゴミ出し規則等の「母国語併記」での可視化資料の掲示及び指導

このような実施を行った上で、破損時、リフォーム発生時の費用負担、帰国時の原状復帰返却の約束を行う、母国語併記の誓約書を交わすことをお勧めします。

可視化された画像の保存が無い場合、該当の技能実習生の管理上の問題か、長年使用の経年劣化の問題かの判断ができない場合もあります。

具体例で言えば、喫煙者の場合、室内喫煙における壁紙の劣化、壁紙の劣化を回避するための喫煙場所の指定、ベランダを指定し、SNS機器での通話をしながらの喫煙における近隣騒音苦情への発展、換気扇下(調理場)での喫煙による健康被害、トイレ内喫煙による同一宿舎技能実習生からの苦情と、「喫煙」1つに対しても2次、3次被害もあります。

動植物の飼育を始めたことに気が付かない。犬、猫から珍獣まで、監理団体が3ヶ月以内に気が付けば、監理上の問題は回避できますが、4ヶ月以上気が付かない結果となれば、監理体制の不備として、動植物の飼育問題が、監理団体の監理責任の問題となり、技能実習機構より処分されることもあります。

「まさか、こんなことが・・・」

それが発生するのが文化・習慣の違う外国人材です。

これは日本人でも発生しているのかもしれませんが、日本人従業員の場合、宿舎利用でもない場合、受入企業、監理団体の第三者にまで、日本人の生活状況が損害を与える可能性は低いため、管理責任が生じていないだけです。

技能実習生は「保護」という観点の下、日本側に責任が生じる状況も多々ありますので、状況証拠は受け入れ前に残しておく必要があります。


【破損・破壊】

 寮・社宅で起こる問題の1つに“配管の破損・詰まり”があります。原因は、油をそのまま流してしまうことが挙げられます。特に、送り出し各国は、油の廃棄に関して、日本ほど細かくはなく、大雑把なことが多いです。悪意があってやっているわけではなく、技能実習生にとって、それが“普通”なのです。
 配属時や監査時に、口頭で注意することはもちろんですが、現地語で台所等の目につくところに油の廃棄方法を張り出しておくことが必要でしょう。もちろん、配管が破損したり、詰まったりしたときの修繕費用も添えておきましょう。いくら口頭で説明しても、いくら現地語で張り出しても、面倒くさいことはやりたくないのが人の性です。修繕費用〇〇円!!という実害のほうが響きます。

【ボヤ】

喫煙をする技能実習生は当然います。寝タバコや処理不十分でボヤになってしまう危険性があります。

・寮で喫煙可能な場所を指定する(バルコニー等)、或いは、室内禁煙
・灰皿を設置する(水を入れるタイプが望ましい)
・ボヤを起こした際の修繕費用等のデメリット

喫煙される方はお分かりかと思いますが、禁止することは全く意味がありません。確実に隠れて吸うようになるだけです。禁止するぐらいなら、ルールを設けてその中で吸えるようにするほうが余程現実的です。又、室内を禁煙にすると、寮の周囲で吸って、吸い殻をポイ捨てしてご近所トラブルに…ということもありますので、携帯灰皿を持たせる、設置可能な場所に灰皿を置く等の追加対応が必要になります。


寮の使い方は入寮時の説明とこまめな訪問チェックが必須です。
個人の性格できれいにしている実習生と全く整理整頓掃除をしない実習生に分かれますので、こまめな訪問指導を行うようにしましょう。
よくあるのが、配管つまりや壁の破壊、床にくぎ打ちなどですので事前に注意しておきましょう。
賃貸物件の場合、会社が契約者になりますので、退去の際、会社に費用負担請求がきます。その場合にも対応するためには賃貸物件に対して借家人賠償がついた保険への加入をしておくことも防御策になります。

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