2023年現在、特定技能外国人のうち、一番多いルートが、この元技能実習生(帰国者含む)が、そのまま特定技能外国人として、在留継続をしてくれている場合となります。

技能実習生として数年は職場を共にした分、人となりや様々な勝手がわかっているので、全方位で受入がかなりスムーズになります。

ただし、在留を継続している場合、リフレッシュ休暇的に一時帰国などが必要な場合もあります。

細かい区分け

1.元サヤケース

技能実習生として業務に従事していた受入先へ、そのまま特定技能へと在留資格変更をかけて、継続して就労するケースです。

外国人労働者と受入先にとって、とてもストレスなく、双方納得の上での雇用が維持されることとなりますので、理想的なケースと言えます。

2.別サヤケース

技能実習生として受入していた先ではなく、この機会に別の就労先を見つけて、転籍していくケースとなります。

この場合、技能実習受入先をはじめ、技能実習において紐づいていた監理団体や送出機関との契約変更において、様々な交通整理をすべきポイントが発生します。

帰国する航空券代の精算
 特定技能への在留資格変更が完了するまでは、帰国のための航空券代は受入先、監理団体(送出機関)が負担する義務が法的に定められていますので、この精算が必要になる場合があります。当然、転籍先へ就労する前に一時帰国したい場合などはよくあるお話です。

送出国側でのルールに基づいた移籍の確認
 国によって違いますが、送出機関では送り出した人材に対して、帰国までの保護責任を負っている先は少なくありません。この点をケアしないと、特定技能移行した外国人材が一時帰国した際、出国ができなくなるリスクを抱えたままとなります。

入管申請における必要書面について
 逆の立場で想像してみるとわかりますが、手塩にかけた人材が他社へ移っていくわけですから、関係当事者全員が良い思いを持っていない場合が多々あります。特定技能移行において入管申請する際、元受入先や元監理団体などに必要書面の手続きをお願いすることが多々ありますので、新たに転籍として受け入れる先(または手伝う業者側の方)は、礼と筋を通して、密に連絡ができるようにする必要があります。(例、評価調書(今までの勤務実績や評価)、雇用保険番号、離職票、入管申請履歴、転出手続き、退去した寮の精算などなど)

★このケースに当たっては、外国人労働者本人が、自己都合での転籍を希望する場合です。ただし、彼らは当然、日本の細かく複雑な法やルールなどほとんどわかっていない中で、自身の希望を要求してきます。引き抜き防止といった行政機関からの警鐘も公表されている手前、無理な転籍を進めると、後で損をしたり苦労することになるのは、転籍側となりますので、くれぐれもご注意ください。

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