b2-1 求職者への説明と確認に加え、更に受け入れる企業側にとって、外国人特有の配慮すべき代表的な要点を、以下にいくつか例示してみます。

・就業規則や賃金規定などによる日本人との同一労働同一賃金との兼ね合い

・母国(送出国)側のルールでケアすべき内容

分野別協議会への加入対応(特に事前に必要な分野)

・定期届出や随時届出、また実地検査時の対応

などなど

就業規則や賃金規定などによる日本人との同一労働同一賃金との兼ね合い

同一労働同一賃金の観点から、特に特定技能外国人の場合、わかりやすいのが長期間に渡る一時帰国を認めるか否かについて。

例1)会社は休暇を認めるものの、有給休暇を超える休暇日数については、欠勤扱いとし、給与が減額となる。

例2)1年以上、良好に就労し会社へ貢献した場合に限り、1カ月間迄の一時帰国を認め、その間の給与も補償する。

※いずれも就業規則の休暇欄に、「外国人労働者に限り、外国人特有の個別の諸事情や背景を勘案し、必要かつ許容する一定期間以上の休暇を与える場合がある。」などを明記のうえ、必要に応じて個別の雇用条件書にも記載しておくことが必要です。

つまりは、明確に線引きを設け、どこまでは認める、それ以上は認めないなど、社内ルールを整備しておく必要があります。

※事案発生のたびに個別対応していると、外国人の同僚はおろか、日本人からも不公平不平等と訴えられた際、会社として問題を抱えることとなります。

母国(送出国)側のルールでケアすべき内容

外国人の場合、母国での自国民保護の観点から、海外での出稼ぎ就労先を登録はおろか、許可まで厳格に管理している国もあります。

また、いわゆる送出機関に、その一人ひとりの管理責任を負わせている国も少なくありません。

日本国内の法だけ配慮していれば良いとの考えは、特に一時帰国の際に、再度の来日が叶わなくなるケースは往々にしてあります。

この点も、採用を決定する前に、業者側や直接送出機関、またその国の管轄機関まで、問い合わせるなり相談するなり、確認しておく必要があります。(日本語対応してくれる管轄機関ばかりではありません)

分野別協議会への加入対応(特に事前に必要な分野)

経産省3分野や建設分野においては、面接、採用以前に、協議会加入を義務付けている分野があります。また農業や飲食料品製造、外食など、雇用開始後、4カ月以内の事後加入で構わないとしている分野もあります。

特に経産省3分野と建設分野は、それぞれ独特の様々な諸条件を設けていますので、協議会加入までに数カ月かかる場合も珍しくありません。この点、十分に配慮し、面接、採用のステップへと進むように注意しましょう。

定期届出や随時届出、また実地検査時の対応

面接し、採用した後で、「知らなかった…」「こんなにも面倒だとは思わなかった…」などとならないよう、採用を検討する段階で、採用後に法的に様々報告を求められる内容まで、しっかりと理解し、把握したうえで、特定技能外国人の受入へと歩みを進めるようにしましょう。

注:特に代表的な支援10項目と、これらの実行を宣言する支援計画書について、実際の実務の幅、具体的に十分とされる範囲などは、依頼する業者や入管に確認し、業務の質量を事前に確認しておく必要があります。
(例えば建設分野など、協議会への報告や手続きが必要となる分野もあります。)

★この辺りも、そもそも「わからないことがわからない」のが、この業界の苦労する点ですので、経験豊富な業者の力を借りるなど、特に受入失敗を避けたい受入先は、良識のあるプロの力を借りながら、受入を進めることをお勧めします。
(自社での受入に慣れてきて、各所へ対応する勝手もわかってきたならば、業者へ委託する部分を減らしてコストダウンを図っていくことも可能です。)

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