労働関係法令違反、出入国管理及び難民認定法(入管法)違反、人権侵害などは、距離感の近い特定技能所属機関(受入企業)や登録支援機関には相談が難しい状況も考えられます。

よって特定技能外国人自身が通報できるよう行政機関の窓口情報などを提供していくことも望まれます。

支援責任者又は支援担当者は、特定技能外国人との定期的な面談において、労働基準法(長時間労働、賃金不払残業など)その他の労働に関する法令 (最低賃金法、労働安全衛生法など)、又は入管法違反の事実を知ったときは、労働基準監督署やその他の関係行政機関に通報する義務があります。

特定技能制度だけではなく技能実習制度でもよく耳にするのが、監理費/支援費を頂いている先の不正行為を認知してもその時点でのペナルティを恐れるあまり隠蔽してしまい、後にそのことが理由で許可を取り消されるケースです。

違反の事実を知っていたにも関わらず、通報しなかった(隠蔽した、虚偽の届出を行った)場合は、指導及び助言/報告徴収等/改善命令及び事業者名等の公表等の行政処分・罰則がありますのでご注意ください。

最近も軽いケガを労災扱いとしなかったことで、後々ユニオンが入り、結果的に安衛法違反罰金刑となったために認定取り消しとなる事例がありました。
こうなると当該特定技能所属機関では、特定技能外国人はおろか、技能実習生も在籍者は全て速やかに異動させるよう指示が出ますし、今後5年間新たな外国人を受け入れることが出来ません

事が起きた時点で受け入れている外国人の数が多ければ多いほど、影響も拡大します。
一時の迷いで行動を誤ると、後ほどとてつもなく大きな反動がくる恐れがありますので、真摯に対応することを心掛けましょう。

(不正行為事例)

①外国人に対して暴行し、脅迫し又は監禁する行為
②外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
③外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部の不払い
④外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為
⑤上記①から④までに掲げるもののほか、外国人の人権を著しく侵害する行為
虚偽文書の行使又は提供
保証金の徴収若しくは財産の管理又は特定技能雇用契約不履行に係る違約金等不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結する行為
上記⑦の行為を行う者の紹介を受けて特定技能雇用契約を締結する行為
⑨法第19条の18の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をする行為
⑩法第19条の20の規定による報告徴収に従わない行為
⑪法第19条の21の規定による処分(改善命令)に違反する行為

尚、定期面談時等にこれらの不正行為が発覚した場合は、“出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為(不正行為)に係る届出書(参考様式第3-5号)”に必要事項を記入し、管轄入管に提出ください。

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