母国の家族事情の信憑性については、送り出し機関の協力を仰ぐことが賢明です。外国人材は両親・夫婦・子供以外の遠い親戚関係でも、兄弟、家族と表現する場合もあります。

まずは対象となる家族の連絡先を日本国内の通訳担当者と送り出し機関スタッフの間で情報共有し、実際にご家族と連絡を取り合ってもらう。

その上で、遠く離れた日本にいる外国人材が情緒不安定とならないような対応をしていただくよう協力をしてもらい、日本にいる外国人材の精神状態を落ち着かせることが先決です。

その後、家族との状況を精査した上で、人道的な対応に合意するしかありません。

結果、一時帰国、途中帰国であっても、満了帰国とはならず、多額な事前投資を行っても、外国人労働力の活用には、家族の協力・同意が不可欠であり、安定した家庭環境が崩壊した場合、日本国内の就労も終焉するリスクは、監理団体が事前に受入企業に対して説明・理解を求める必要があります。

万が一、一時帰国を選択した場合も、事態の進展性によっては、そのまま「退職」もあり得る状況の場合、二度と日本へは再入国をしないことを想定した手続きを並行して行う方法もあります。

退職手続きへの署名、宿舎鍵、自転車の鍵の回収など、心配に及ばぬ結果で再び落ち着いた精神状態を取り戻し、笑顔で復帰していただければ良いのですが、状況によっては、送り出し機関でも安易にやりとりできない地域にお住いの方もいますので、日本側・送り出し機関側・家族との母国語による最善の選択に期待をし、日本側関係者はその選択に応じるしかありません。


トラブル深刻度:☆☆
癖になる度  :☆~☆☆

  突然、「家族が病気になりましたので一時帰国したいです!」「家族の病気(怪我)治療のためにお金が必要です。貸してください!」
よく聞く話です。 本当の場合もあれば自分の主張を通すための言い訳である場合もあります。日本人でも家族親戚を使って休みを取る職員もいますので、世界共通といえるでしょう。
 休みが必要な場合は(特に一時帰国)仕方がないので休暇を与えてあげるのがいいと思います。あまりに頻繁である場合や、期間が長い場合については、禁止はできませんが他の実習生がいれば与える影響も注意しておきましょう。
お金の場合は貸すことは企業側の判断によりますが、貸した後仕事を始めた時、今まで以上に頑張る実習生もいますのでそこに期待するのもいいかもしれません。
但し、遊ぶ金欲しさや失踪するための準備金として考える実習生もいますので注意と覚悟は必要です。


まず、技能実習生にとって、家族がどのような存在なのかを把握しておきましょう。

東南アジア各国、全てにおいて家族が優先されることは珍しくありません。

「家族の用事だけ」で会社を休む・遅れることが全く問題なく罷り通る国もあり、家族の用事の詳細に突っ込むこともあまりしません。

それほどに「家族が…」のパワーが強いのですが、それを日本でも安易に使いまわしている面があります。

  • 一時帰国希望
    • 母国の家族が体調不良で…
  • 途中帰国希望
    • 母国の家族が体調不良で…
  • 3号転籍可能時(2号満了時)
    • 母国の家族がもっと稼げるところに行ってほしいと…。母国の家族の生活が苦しいのでもっと稼げるところに行きたい…
  • 特定技能転職可能時(2号or3号満了時)
    • 母国の家族がもっと稼げるところに行ってほしいと…。母国の家族の生活が苦しいのでもっと稼げるところに行きたい…

一時帰国に関しては、送り出し機関経由で事実確認をしましょう。

仮に事実であれば、実習への集中力、最悪の場合、事故等にも繋がってしまうので、実習実施者と協議の上、対応しましょう。間違っても、「日本では~」という日本人の常識を押し付けることのないようにしましょう。技能実習生には通用しません。

転籍・転職可能時の家族が…は体のいい継続お断りの常套手段、或いは、給料交渉に使っていると理解して問題ありません。

どうしても残ってほしい人材であれば、交渉に応じ、そうでもない人材であれば、そこでお別れがいいでしょう。

実習実施者に、残したい度合いの確認を必ず取っておきましょう。


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