従業員を募集する→採用する→目先の実施業務を指導する→頭数の1人として出社していることが当たり前と考える→ある日突然、退職をする。

人手不足に陥る企業の特徴だと思います。働かせている・働かせていただいている。労使関係は50:50、双方が敬意や感謝の気持ちが無ければ雇用関係が長期化することはありません。

外国人材も全く同じであることに気が付かず、「日本人が定着しないから外国人」という発想の経営者の下では、いずれ外国人材も途中帰国、失踪と離職を考えます。

現在は外国人技能実習制度から特定技能移行も選択肢として有期雇用の選択肢も、3年、5年から8年、10年と長期化しました。たかが●年と考えるのか、されど●年と考えるのかで、企業の成長と発展が大きく変わる1つに「人材育成」の重要性があります。


技能実習生や特定技能外国人に関わるこの外国人雇用に携わる業界の本質はマッチングと人材育成にあります。この部分を勘違いするとこの業界のビジネスの枠組み・流れは「人身売買プロセス」とほぼ同じであるために、多くの間違いが発生します。
技能実習法が2017年に施行され、その後2019に特定技能が始まり、それ以前の3年で帰国の制度が完全に様変わりしています。
日本語能力の要求、高い技能の要求、キャリアアップ、そして永住へとつながる在留資格。完全に人材育成業界に様変わりしていることをご理解ください。


人材教育を行う際に最も重要なのが…

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

元連合艦隊司令長官 「山本五十六」 の言葉の実践です。

簡潔に言えば、まずは手本となる作業を見せて、真似をすることから入ります。そこが基礎となりますので、実践できている点を褒め、修正するべき点は再指導を行う。その後、実践作業を通じ、怪我、事故、失敗が無いか温かく見守りながら、一人で実践できるまで指導を繰り返します。

外国人材の場合、目を離した隙に、実践できていた作業を誤るケースが日本人よりも多い場合がありますので、しばらくは安心せず、観察を続けることが重要です。

また作業に問題が生じなくなると、いわゆる「サボる」傾向を見せる場合もありますので、作業指示を行う際には時間目標も設定しなければ生産性の向上へは繋がりません。


外国人材を育成する際、障壁となるのが「言葉の問題」です。しかし意思疎通が難しいと感じるたびに、通訳を呼ぶわけにもいきませんし、それでは語学能力の向上も図れません。よって以下の方法をお勧めします。

社内教育の可視化

これまで日本人しかいなかった職場では言語伝達のみで良かった環境を一転させる必要があります。作業の詳細、注意点、危険な箇所を中心に、画像等も織り交ぜながら職場に掲示することが重要です。このような作業に対して通訳者を活用し、母国語併記の資料を作成することは有効的です。ただし企業秘密事項などは、実習現場へのプライベートなSNS機器の持ち込みを制限し、情報漏洩に対する注意指導、違反時の就業規則に基づく罰則なども事前説明しておかなければなりません。

やさしいにほんご

そこでお勧めしたいことが、外国人材が今まで学んできた日本語教材を入手し、教材に記載されている日本語を理解すること。教材に記載された日本語(単語)に関しては、習得前提での配属となりますので、この言葉の範囲で指導を行うことで日本語でも理解が深まります。日本人が目を通した場合、小学生程度の日本語教材ですので手間暇はありません。この作業を日本人側が実践するか否かで、対外国人とのコミュニケーションも大幅に成果が変わります。


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