厳密に言えば何も制限はできません。
友人の対入り禁止。異性の立ち入り禁止。訴えられれば受入企業側が不利な立場になります。

マイクを使用したカラオケ、楽器演奏、大勢でのパーティー。「常識の範囲であれば」という「常識」を理解できないのが外国人材。もし何かしらの問題が発生しても対応する覚悟は、外国人材を受け入れる企業には必要なことです。

「ダメ・ダメ・ダメ」という制限ばかりをすると、反発するか隠蔽するのが外国人材の行動。

よってある程度「許容」した上で、これだけは守って欲しい部分の指導を行う方が賢明です。

パーティーは行っても良いが、22:00までで。
パーティーは行っても良いが、マイクを使用したカラオケは禁止で。
楽器演奏は昼間のみで。

このような指導方法の方が完全制限・禁止よりも成果があると思います。

更に未然防止に努める受入企業の方法としては、技能実習生は大金を所持していることも無く、頻繁に友人が集まり、宴会を開催することはありません。

正月やクリスマスやハロウィンのような季節イベント。
本人達の誕生日などを社内で確認しておき、該当の日には注意力を高めることで抑制することも可能です。クリスマスに社内でケーキを購入し、サプライズ宿舎訪問でプレゼントを行う、正月には宿舎訪問でお年玉を進呈する。このような状況に乗じて、宿舎状況の確認を行うことも1つの方法です。

また外国人に対する近隣の「偏見」がある時もありますので、技能実習生が在住する地域の住民には、入居前に一度、入居後は1年に1度程度は挨拶回りなどを欠かさないことも1つの方法です。

技能実習生が希望休暇を提出する、有給休暇を希望するときなども、生活状況に不安を抱える受入企業では、発生しそうな問題を想像し、人権・プライバシーに侵害しない方法での未然防止策を検討することが重要です。


【部外者の立ち入り】

配偶者、恋人、友人の寮への立ち入り問題は良く起こります。社宅であれば、日本人同様に社宅への部外者立ち入り禁止という対応は可能ですが、賃貸であれば、それも難しい問題です。
*当たり前ですが、賃貸物件で部外者の立ち入りを技能実習生だけに禁止を課すことは不可能です。
後だしジャンケンにならないように、社宅の場合、部外者を入れた場合、どうのような罰を受ける可能性があるのか事前に説明し、可能なら貼り出しておきましょう。
更に、配偶者や恋人であれば、「妊娠」が発生する可能性もありえます。
*妊娠への対策は、妊娠・出産・育児時の費用や時間、人的サポートの必要性、法的に可能であっても、費用面を含めて現実的なのかどうかをしっかり諭しておきましょう。

起こるであろう事案を先読みして、技能実習生にリスクを説明・理解させておく必要があります。

【宴会】

誕生日、正月(中国・ベトナムは旧暦正月)等は宴会による騒音問題が発生しやすくなります。賃貸住宅の場合、会社と関係ない一般の住民も住んでおり、実習実施者へのクレーム、警察への通報へと繋がり、最悪の場合、強制退去という事態になります。特に旧暦正月の騒がしさは日本の静かに迎える正月とは一線を画し、兎に角派手で賑やかなほど望ましいという認識がされていると言っても過言ではありません。

又、ベトナムの場合、日本と比べて、“夜”が遅いです。

夜10時11時に外で小さい子供が遊んでいるのも見かけますし、10時11時に集合住宅で爆音カラオケもしますし、大声で乾杯が聞こえることも普通で、多くは誰も気にしません。そうした文化・習慣から「夜は静かにするのは当たり前」「周囲に迷惑をかけない」という180°真逆の日本に行きますので、当然起こりえる問題です。宴会を禁止することはできないので、これをやったらどうなるか、あれをやったらどうなるか、ケーススタディ的に説明をしておく必要があります。

退去させられる場合、宴会に関与していない技能実習生までまとめて出て行けとなる危険性もあり、自分だけの問題で片付かなくなるリスクもありますし、警察沙汰を繰り替えせば、条例によっては、最悪逮捕されることもありえますし、その地域での居心地も悪くなるでしょう。

日本と比べたときに、「うるさい」の基準、「迷惑」と感じる基準が明らかに異なっています。好き好んで、周囲に迷惑をかけているわけではなく、技能実習生にとって、「悪いこと」である認識が全くないことに起因しています。日本がどういう国で、日本人がどういう考え方をしているのか入国当初から理解をさせておく必要があります。


基本的に寮の所有者(契約者)は企業であり、使用者は実習生達になります。
ですので、人権侵害にならない範囲で寮の使用規則を定めておくこともトラブル回避の方法の一つです。
寮の所有者(契約者)は企業の為、適正に使用してくださいねと理由付けします。
それでも実習生達は黙って友人たちを寮に呼びます。大騒ぎもします。警察から呼び出しもあるでしょう。各国の記念日(祝日)にはどこかに連れ出して発散させることも有効です。飲み会の席に日本人が同席すれば抑えることもできます。


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