面接時、日本人とは異なる様々な点で留意が必要です。
技能実習でも触れていたことですが、特定技能専業の方々のため、ポイントをいくつか列記しておきます。なお、大きくは以下のルートによって、大きく違いがあります。

・日本国内在留組からの面接、採用

・海外から招聘する場合の面接、採用

基本的な前提

★まず第一に、「ミスマッチを防ぐ」(消去法、粗探し)、そのうえで「採用すべき人材像」にマッチするかどうか。

(採用すべき人材像(雇用条件含む)が定まっていないのは、そもそもミスマッチの確率を高めるだけですので、むやみに採用内定を出すべきではありません≒外国人のみならず雇用自体を再考すべきとも言えます)

言い換えれば「採用してはいけない人材」を徹底的に除外することが第一ステップと考えるべきです。

(定性的な条件例)「嘘をつく人、集中力のない人、ルールを守れない人、指示に従えない人…」

(定量的な条件例)「利き腕、身長体重、視力、刺青、色盲色弱、基礎的学力(例、四則計算レベル確認)…」

 

<外国人労働者の特徴>

外国人の多くは、日本人と違い、「何でもできます、やります、OKです!」と即答する方が多く、鵜呑みにすると雇用した側が痛い目にあいます。

また、日本人はおよそしないであろう要求も会社側へ求めてくる場合も多くあります。

「住まいはどこに住みますか…、お金がありませんので前借りさせてください…、一度帰国させてください(採用前、雇用中など)…、などなど。

ですので、特に経験の浅い方は、この面接の段階から経験豊富な方に助言や同席をお願いすると、気づかない点に対しても事前に芽を摘んでおける確率が高まります。

注:お互い様ではありますが、誰もが「自身に負担や振りが発生することを、後になって指摘され求められる」のは良い気がしませんし、不可能な場合もあります。ミスマッチを起こさぬよう、最初に様々な確認と合意形成が必要です。ここを失敗すると、最悪はユニオンを通して訴えられる可能性まで出てきますので。

注:外国人採用の場合、先々の入社、配属前までに配慮すべき点がたくさんあります。これらすべて、採用を出す前に確認、合意をするようにしましょう。(米国などでは雇用条件に何十枚もの契約書面を用意するくらいですので、それだけたくさん確認すべき点があると承知しておく必要があります)

日本国内在留組

日本に一定期間以上、既に住み生活を営んでいる場合、買い出し、調理、電気ガス水道の費用発生、近隣住民との兼ね合いなど、いくつかは経験済みで勝手や常識が多少なりともわかっている場合も多いので、この点の確認は比較的スムーズな場合が多くあります。

また、アルバイト経験などもあると、日本で社会で働くという点においても、多少なりとも理解できる幅を持ち合わせています。

特に留学生などは、日本語を学び、会話の実践の機会に触れている方も多く、N4合格者ともなれば、多少の簡単な会話はやり取りができるかと思われますが、反面、納税や収めるべき保険料など、未払い不払いを抱えている場合もありますので、注意が必要です。

注:勉学ではなく、アルバイトで稼ぐために来日する「なんちゃって留学生」も少なからずですので、十分気をつけましょう。

注:入管申請の際、履歴を記載する欄がありますが、この部分で既出の申請書面の記載や記録のあった内容との虚偽や齟齬がある場合、不許可となります。日本の出入国記録(みなし再入国の一時帰国は除く)は、必ず確認し、正しい記載となるよう注意しましょう。
(明確に判明、確認できない場合は、当事者責任で今日の是非を判断しましょう)

注:外国人材の母国のルールにも注意が必要です。この点をケアしていない場合、一時帰国をした際に、日本へ戻れなくなります。

海外招聘組

先々のコトまで考慮、配慮しないと、面接しても採用判断までできません。

前述のように、そもそも海外へ行ったこともない人材の場合、母国と日本での様々な違いについて、身をもって理解ができていない分、どういう点で相違があり、注意せねばならないのかがわかっていないまま来日すると、こんなはずじゃなかった…となります。

日本国内在留経験のある方との違いは、正に日本国内で一定期間以上の生活や、労働、日本人との会話経験などがあるかないかです。

別ページでも触れましたが、事前ガイダンスや生活オリエンテーションの法的指示時間内では、到底全てをカバーできるボリュームではありません。また、実体験しないとわからないのが現実です。(1カ月程度、研修センターに教育指導願う選択も現実的です)

※日本人と違い、送出国毎に、海外へ出稼ぎに出国する場合、様々な諸条件を整えない限り、簡単には出国できない国がほとんどです。
海外からの招聘を考える場合は、その国の公的許可を得た送出機関と提携し、助力を得ることをお勧めします。
(国によっては、助力を得ない事には、出国できない国もあります。自国民保護のため、海外出稼ぎ労働者の管理責任を送出機関に負わせている国がほとんどです。コストを掛けたくないなど考える方が多いですが、相手国のルールを尊重できない方は、後でトラブルに巻き込まれる場合がほとんどです)

…列記しだすとキリがないほどたくさんあります。

また、ケースバイケースなポイントも数多ありますので、現実を率直に指摘すると、不慣れな方には賄いきれる質量ではありません
ですので、プロとしての業者が成り立っています。
(残念ながら外からは見分けがつかないので、「なんちゃってプロ」の方々も少なからずですが)

なお、適正適切な業者を選定するには、リテラシーがないと判断できませんし、リテラシーそのものも一定以上の知見が必要です。
また、すべきことを必要十分に責任もって対応するには、一定以上のコストも必要となります。
結果、安直に安いだけの先へと流れ、手痛い目を見て、初めて私達の言葉も、届き、響くようになります。

私達は心から不幸を量産したくありませんので、本大百科の諸々がご参考になることを、心からお祈りしています。

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