特定技能外国人に対しては住居・生活の支援を行うことが義務付けられています。
但し、技能実習生とは満たさなければならない内容などが異なる部分がありますので注意が必要です。

借主を企業にして欲しい物件オーナー側の意向があったり、未だに外国人お断りの物件もあります。配属の見通しが立った時点で、通勤を可能とし、スーパーなどの行き来もしやすい便の良い物件を見繕って打診しておくと、直前になって困りません。早めに諸状況を把握しておきましょう。

住宅支援

特定技能外国人の住居は、確保できれば良いというわけではなく、きちんと暮らせる広さが求められます。1人当たり7.5 ㎡以上の広さを確保しなければなりません。(6畳は確保しておくのがいいでしょう)

但し、下記の例外があります。下記の場合は技能実習生と同じく4.5㎡以上になります
・日本在住の技能実習生が1号特定技能外国人へ在留資格を変更して引き続き働く場合
・自社で働いていたが帰国した技能実習生が、同じ会社で1号特定技能として働く場合
(特定技能に変更する予定で帰国して、引き続き部屋を利用する場合)

最低レベルの支援は上記になりますが、できれば個室である程度の広さの部屋を用意したほうが満足感は得られると思います(家賃との兼ね合いもありますが…)
※昨今の特定技能の住まいについては、送出国側でもまた若い世代の考え方は変わってきています。複数人の同室の場合、性格の合わない相手との同居は大変なストレスとなり、これらが原因で最悪は退職、転職・転籍となる場合もありますので、可能な限り最初から個室対応をお勧めします。
なお、逆に、未だに一人で暮らすのは何かと心細く、家賃負担を軽減するために、複数人での同居を希望する場合もあります。これらは実際に暮らし始めてしばらくたたないと判明しない問題でもありますので、事前に様々な説明や配慮が必要です。

送出国側のルールによっては、家賃はいくら以上の控除は認めない、いくら以下にしてくれないか…など、様々なケースがあります。この点、送出機関を通して確認しておきましょう。フィリピンでは実際に政府管轄機関の実地検査やフィリピン人からのヒヤリングがあったこともあります。なにより、雇用条件書が通らない場合もありますので、確認と配慮が必要です。

生活支援

様々な配慮の下、住まいを用意する際、同時に確認しておくべきポイントがいくつかあります。

1.電気、ガス、水道、インターネット…
住まいで暮らすためには、家賃の件のみならず、入居と同時にお風呂に入り、洗濯をし、自炊生活が始まりますので、各種ライフラインの契約や開通なども済ませておく段取りが必要です。

2.ゴミ
住まいの地域では、何曜日の何時から何時までの間に、どこに、どのようにゴミを出しても良いものか。当然、地域で指定しているごみ袋などがあれば、その購入も必要です。地域によっては自治体が翻訳付きのイラストなどでの説明シートなど準備している場合もあります。
特定技能外国人が居住することになった場合、指導の下に、自分たちでゴミ出しができるようになるかどうかも加味する必要があります。

3.近隣挨拶
地域によっては「唐突に見知らぬ外国人が近所に住むようになったらしい…」「朝黒い表情の良くわからない人たちで怖い…」「聞いたことのない言葉で何か企んでいるように感じる…」など、未だに偏見があったり、考えも立ち位置も何もかもわからないままで遠巻きに噂話が独り歩きを始めることはよくあることです。地域で孤立しないよう、近隣住民にはしっかりと挨拶に回るようにしましょう。特に就労する企業がしっかりと面倒を見ていること、何かあればここに連絡してもらいたい…などの説明と、本人たちから片言でも構わないので、笑顔で「こんにちは、宜しくお願いします!」と元気よく挨拶するだけで、相手も素性がわかり気持ちがよくなるものです。最初が肝心です。面倒がらずにしっかりと対応しましょう。でないと後で困るのは関係当事者自身ですので。

4.シャワー、調理、洗濯、清掃、生活備品などの使い方や清掃の説明
特に初めて日本へ来た外国人である場合、日本での暮らし方は何一つわかっていず、見るもの聞くもの触れるものすべて初めてです。そんな不慣れな外国人の場合は、「そこまで説明しないとダメか…」という想像もつかないレベルで、丁寧な説明や指導が必須となります。

SAVE大百科