失踪が発覚した際の対応や諸手続きについて、参考までにまとめてみました。

技能実習生が失踪した場合、以下の手順で対応するのが一般的かと思います。

① 失踪の事実を認知

監理団体は、実習実施者と同僚の技能実習生などに詳しく失踪するに至るまでの状況をヒアリングします。
その際、失踪した状況だけでなく原因が何なのかを一緒に追求すると良いでしょう。

宿所を確認して、何を持って行ったか、何を残していったか確認をしましょう。 
  ※勝手に処分しないようにしてください。

② 捜索

同僚の技能実習生がいるのであれば、何処へ行ったか心当たりがあるか聞きます。

殆どの場合、聞いても「分かりません。」と言うと思われます。(殆どの場合、失踪する際どのように段取りをし、何処へ行ったかなどを同僚の技能実習生は知っています。しかし、「知らない。」としか言わないケースが殆どでしょう。)

事前に監理団体が行きそうな場所に心当たりがあるのであれば、そこへ出向くなどの捜索をします。

③ 送出機関へ連絡

送出機関へ連絡を取り、失踪した技能実習生の家族へ連絡してもらい、状況を説明してもらいます。

合わせて、失踪した本人へ家族から話を聞いてもらい、速やかに戻るよう説得を促してもらいます。

送出機関に協力をしてもらい、家族へ連絡を取っても戻って来るケースは殆どないと思います。

酷い時は、失踪した技能実習生が技能実習先の悪口を家族へ言っている場合があるので、送出機関が家族からクレーム、または逆切れをされるケースも珍しくありません。

④ 警察へ行方不明届出

①~③まで2~3日の時間をかけるのが通常かと思われます。

それ以上時間をかけると、警察やOTITからお叱りを受けることもあるので注意しましょう。

状況調査や捜索、母国の家族とも連絡を取るも状況が変わらなければ、技能実習生の宿舎の住所を管轄する警察署へ行方不明届を出しに行きます。

警察署では、失踪した技能実習生の写真と在留カードの写し、パスポートの写しを提供するよう言われますので、持参すると良いでしょう。

警察署では、失踪直前の状況を詳しく聞かれるほか、失踪した技能実習生の身長、体重、靴のサイズ、体格、血液型、普段の服装、性格など詳しく聞かれるので、その辺の情報も整理しておくと良いです。

警察署で受理される際は、受理番号と担当の警察官の名前を控えておくことを忘れないようにしましょう。

後でOTITへ提出する技能実習実施困難時届出書へ受理番号と担当者の名前を記載する必要があります。

⑤ 技能実習実施困難時届出書をOTITへ提出

警察署へ行方不明届を済ませたら、速やかに技能実習実施困難時届出書を提出します。

技能実習実施困難時届出書の「9 備考」の欄に、監理団体の担当者の情報に加えて、警察署に出した行方不明届の受理番号と担当の警察官の名前を記載します。

特に添付資料は必要としませんが、技能実習実施困難時届出書を提出後、OTITから連絡が来て直近3ヵ月の出勤簿と賃金台帳を提出するよう要請があることがあります。

また、稀に入管が監理団体や実習実施者の元へ調査にくることもあります。

以上が一般的な対応と手続きになります。
必要に応じて、送出機関や管轄省庁とも連絡を取り、冷静にすべき対応に努めるよう心がけましょう。
また、同時に、残留中の先輩、同期、後輩がいる場合は、そのケアも大切ですので、お忘れなく。

ポイント:残留物の保管について
不要なものを寮に残したまま失踪している場合がほとんどですので、その処分に難儀します。
失踪者とはいえ、個人の資産とも言えますので、勝手な処分は何かと後に問題となるケースも考えられます。
この辺りも、外国人技能実習機構に確認し、対応していきましょう。  

 


   

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