地方と都市部、待遇だけ見たら都市部に勝てないと思うかもしれませんが、地方が唯一勝てる部分、「家賃」があります。

よって地方の実習実施者(受入企業)では家賃控除を全く行わない、光熱費も負担するなどして、支給額では都市部に負けても、手取総額で都市部に負けないよう調整する方もいます。

この家賃の低さから、都市部では入国後講習施設も業務委託した方が安いのに対して、地方では自前の施設を所有し、自前で入国後講習を行う監理団体も多く存在します。

また都市部では、通勤に電車を使用する方も多く、終業後は乗車時間の兼ね合いから、食事の機会などもなく直帰する日本人従業員が多く、人間関係が希薄に外国人材からは映るかもしれません。

地方在住の方が、日本人は優しいという感情を抱いたり、都市部では華やかな繁華街があっても、地方の方が、外国人材が一度は体験してみたい、母国では決して体験できないような、スキー、温泉があったりと、決して悪い部分ばかりではないのですが、外国人材は出稼ぎが主な目的ですので、1円でも高い職場へ行く流れは止めることはできません。


【地方】
・食材完全支給(青森県)
ある実習実施者では、給料の低さから外国人労働者の確保に四苦八苦していたが、米・野菜・果物・牛乳・卵等を現物で約30,000円分を全実習生に支給を開始したところ、3号・特定技能での継続就労率が上がり、今では実習中・就労中の外国人からの紹介で毎年新たな人材を招聘できるようになっている。

・生活支援金(熊本県)
外国人に対しては、円安による送金受け取り額の目減り補填、日本人には生活必需品の物価高補填として、月額20,000円を全従業員に設定している。

・日本語学習支援(愛知)
毎週末、寮に日本語教師を呼び、日本語授業とJLPT対策。JLPT N3合格で時給100円up、N2合格で200円up、N1合格で300円upに加え、5,000円~20,000円の一時金の支給。在籍実習生のN3合格率100%、N1合格者も複数名誕生。日本語教師の費用はもちろん、JLPT受験費用、試験会場への送迎も全て実習実施者負担。


都会や地方に関係なく、どこへ行くにも連れて行き、当然、住まいも食事も一緒…家族同然の付き合いを普通にしていると、結果として定着化に繋がっている場合もあります。ただし、実際には都会ではなかなかできにくく、地方へ行けばいくほど、実現性の高い現実とも言えます。

もちろん、都会→都会もあります。

彼氏彼女、旦那さんや奥さん、親しい友人がいるから…と都会も地方も関係ない場合もあります。

強烈とも言える人間力、属人力、人と人との関係性は、出稼ぎと言えども「お金」を上回る理由に至る事例です。

できるできないは別にして、事実として頭の片隅に入れておくと良いのではないでしょうか。
もちろん、それらは、「あなたがいるから…」が理由にもなり得ることですので。

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