《組織》

一般的に以下の部署があります。

⓪代表
①営業部
②教育部
③書類部
④募集部
⑤総務経理部

《役割》

⓪代表
決裁権を持つ代表と単なる雇われ、或いはライセンスを借りて代表を名乗っている場合とがあります。

①営業部
対日本の窓口になる部署です。新規監理団体の獲得、既存顧客の対応等を行い、顧客来越時のアテンド、採用面接対応、トラブル対応等が中心業務です。営業部の社員はN3~N1の日本語能力を持っていますが、運用能力はピンキリです。送り出し機関によっては、新規顧客獲得や求人票獲得等のノルマを課しているところもあり、社員の入れ替え(離職率)が激しいところもあります。又、送り出し機関によっては、代表のみが営業部の役割を担っているところもあり、営業部が存在しないところもあります。

②教育部
実習実施者が採用した技能実習生に対し、日本語教育等を行います。文法は現地人教師、会話は日本人教師が担当するような分け方をしている送り出し機関が多いが、コロナ禍の影響で、日本人教師が帰国してしまい、2022年以降、現地人教師しかいない送り出し機関も少なくありません。日本語以外に、日本の法律・マナー、専門用語の教育等も行いますが、質や徹底具合は送り出し機関によって大きく異なります。また、現地人教師の日本語能力・教授能力は振れ幅が大きく、各送り出し国に日本語教育に関する講座・資格がないことも多い為、視察時の重要確認事項です。日本人教師も同様に、資格を保持しているか否か、経験年数、経験内容の確認は必須です。国によっては、単なる日本人が客寄せパンダとして教壇に立っているだけの例もあります。

③書類部
採用面接の履歴書作成、現地行政機関への申請、外国人技能実習機構への申請書類作成等、送り出し業務にかかる書類全般を担当します。営業部ほどではなくとも、日本語を使える社員が多いです。作成能力は、社員の経験値が直結し、1つのミスで技能実習生の入国が遅れたり、場合によっては、在留資格認定証明書の不交付ということも起こりえる為、視察時等に確認事項として入れておくことが望ましいでしょう。

④募集部
技能実習生希望者を集める部署です。多くの送り出し機関が募集部を持っていますが、社外のフリーランスの募集者との関わりも多く、各採用面接において、自社の募集部だけで候補者を賄えている送り出し機関は非常に少ないです。採用面接参加者の現地語履歴書の作成、健康診断手配等を行います。一方で社外のフリーランスの募集者は基本的に送り出し機関と希望者を繋ぐだけで、細々した実務に関わることは稀です。雇用形態は正社員であっても、ノルマを抱えていたり、低い基本給に出来高を加わる給与体系の者が多く、入れ替わりも少なくありません。

⑤総務経理部
技能実習生から費用の支払い窓口、社内人事・出勤欠勤の管理、総務部門は日本の企業と役割は大きく変わりません。日本の監理団体からすれば、特に、①営業部、②教育部、③書類部との関わりが多いでしょう。視察時に、この3部署は要確認です。全て日本語でのやり取りになる為、3部署の職員の日本語能力、処理能力の確認をしないまま、契約・取引を進めてしまうと、後々後悔することになるでしょう。


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