リーダー。 それは、仲間を導く存在。守っていく味方。
 そもそも、監理団体の『監理』とは、監督し、取り締まること…と、あります。行政的な見地から言えば、それは、技能実習生、並びに受入企業である実習実施機関を、管理監督する団体であるという意味です。さらに、実際に個別具体的に『管理監督する』のは、他ならぬ一人一人の監理団体職員となります。

 では、管理監督する立場の人間は、どうあるべきでしょうか。実際には、実習実施機関から支払われる監理費を主な活動原資だからといって、実習実施機関の為だけに尽くすサービス集団であることが、はたして適正に『管理監督』できるのでしょうか。
 適正に『管理監督』できなかった場合、それは、結局つまるところ、実習実施機関のためになるのでしょうか。監理団体として、自分の業務として、責任を果たしていると言えるのでしょうか。

 わかりやすく、技能実習/監理団体を例に触れましたが、特定技能/登録支援機関であっても、何ら変わりはありません。

 一般的に考えてみても、管理監督する立場となる人は、その業界について、色々と詳しくわかっている人であり、管理監督を受ける立場の方(技能実習生と受入機関)から、敬意を払われている、一目置かれているべき存在です。
 また、そうでなければ、管理監督しても、相手は素直に言うコトを聞きません。そして、理想を言うならば、法的な視点から強制的に指導するのではなく、人間関係として敬意を払われつつ『共生的に』指導が行き届く状況が理想です。法だけでなく、理屈を超えて、人に信用され、信頼される人。周りに頼りにされる人間であるべきです。

え~っ、自分、そんな大それた人間じゃないから、できないよー

 そんなことはありません。フツーに目の前の仕事に取り組んでいるだけで、相手のコトを気遣い、送出機関と連携して、法的にも現実的にも、四方八方に気を配り、様々な角度から必要十分に整えて、手続きを図り、受入運営を円滑に執り行うコトを通じて、4者それぞれと都度都度細かいコミュニケーションを図っていきます。
 そのためには、司令塔的なポジションで立ち回らねば、物事は決してうまく回っていきません。4者でどこを目指すかについて定め、ソコへ向かうべくスケジュールを、指示を、手配を、順次コントロールしていきます。

 結果的に、4者間で総合的に物事を理解していて、適正な判断を下せる、一番の要な人間となります。そんな人が、結果的に周りの関係者から、『リーダー』と呼ばれる人になってしまっているのです。
 コレは、現場職員のみならず、事務方の職員も同様です。有機的に、現場職員と事務方職員が連携できていない限り、役割分担も機能しないのだから。何も最初から肩に力を入れて、『リーダーになるんだっ!』と、立ち回る必要はありません。
 目の前の仕事を一つ一つ理解して、こなしていく過程において、自然とそういう人間になっていくというコトを、頭の片隅においておくと、成長も早いでしょう。とどのつまり、リーダーとして、周りに認められるようになることが、本当の意味での一人前、一人立ちと言えるのかもしれません。

 リーダーといっても、様々なスタイルがあります。上から前から背中を見せて引っ張っていくリーダー像もあれば、伴走して励まし合って共に歩んで行くリーダー像もあります。知識が豊富で、何かあればこの人に頼れば解決してくれる、この人の見解を基に進めていけば間違いはなさそうだという、バックオフィスの受け身的なリーダーもあります。
 別に、「こういうリーダーにならねばならない」といった固定観念は一切必要なく、リーダーの在り方もまた十人十色です。

 アナタなりの、アナタにしかできない、リーダー像も、別に改めて考えることなく、いつのまにやら自然と成っているものですので、目の前の仕事に、一つ一つ丁寧に取り組み続けていきましょう。

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