面接やフリータイムはもちろんですが、窃盗やスリ、忘れ物や荷物の誤配、ぼったくりなど海外ですのでいろんなトラブルがあります。財布やパスポートを無くせば、日本と違いまず出てくることはありません。
現地では日本語の話せるスタッフがいるので安心しがちですが、海外ですのでくれぐれも何かと気を付けるよう、肝に銘じておきましょう。
もしかすると、ちょっとしたトラブルもまた、この先の話題のタネになるくらいの気持ちで臨むとちょうど良いのかもしれません。
《面接系トラブル》
①候補者がいない、足りない
→渡航前に聞いていた人数と違うということが起こりえます。なぜ渡航前に報告しないかと言えば、理由は1つ。「面接がキャンセルされては困るから」。急な追加や、急な辞退の場合等もありますが、送出機関の誠実さと報連相能力によります。職種や条件によっては、そもそもサクラばかりを揃える場合もあるので、求人時点で本当に募集可能かどうかきちんと送出機関と詰めておきましょう。
送出国へ行ってみたら、採用希望人数よりも少ない候補者しかいない場合も実際に起こっています。
②履歴書との齟齬
→単なるミス、聞き取り不足、綺麗に見えるように勝手に盛っている場合等がありますが、いずれにしても、送出機関の問題であり、付き合い先の送出機関の実際のところが見える部分です。
特に、希望収入や3年間の希望貯蓄額等は、募集ブローカーから低めに書いておくように指示があったり、送出機関が高すぎると合格しないから、〇〇円と書くようにと指示をしている場合もあります。
入国後のトラブルに繋がる可能性もありますので、履歴書の記載内容を鵜呑みにせず、候補者に直接確認しましょう。
希望収入は10~13万円/月、希望貯蓄は250~300万円/3年、35カ月分の給料から生活費等を差し引いて本当に希望貯蓄に届くのか等を詰めて質問し、確認を取っていくのがいいでしょう。
合格通知後に「やっぱり辞めた」という事態はよく起こります。
③別の送り出し機関で行ったことある教育施設だった
→教育を他所に委託している送出機関がいくつか存在します。
Aという送出機関で行った教育施設と、Bという送出機関で行った教育施設が同じところだったということです。
事実、教育だけを請け負っている施設というものが存在しますが、送出機関として、実際に教育をするわけでもなく、技能実習生の人となりも把握しにくい為、日本から何かしらのトラブル等の連絡があった場合も、迅速に対応できない、適切な対応ができない場合が多々発生します。
入国までの約半年間は非常に重要な時間です。送出機関が日本で技能実習を満了できるような人材に育てる基礎を醸成する期間でもありますので、自社で責任を持って教育を施しているところが望ましいと考えられます。
④想定していた実技試験ができなかった
→送出国と日本とでは、機材・材料に差があり、候補者の技術力にも差がある為、日本と全く同じ実技試験を実施することのハードルが高い場合が少なくありません。
例えば、縫製等は、送出各国、大規模な工場で、部分縫いのみで一枚を仕上げる経験を持つ人材が非常に少ない為、自社製品を持ち込んで、実技試験で作らせようとしたところで、できる人材は限りなく0に近いでしょう。
職種を問わず、事前にどこまでだったらできるのか送出機関ときちんと詰めておきましょう。
《フリータイム中トラブル》
①ハニートラップ(ベトナム/ハノイ)
→ハノイの某ホテルで女性に名刺を渡すリスクヘッジ意識がまったくない監理団体の方もいますが、そのような店舗の女性は、秘密保持等の意識はなく、思いのほか情報は外に洩れ広がります。いつ誰が来たという情報を得るのは繋がりさえあればそう難しくありません。その費用まで送出機関に支払わせる監理団体がありますが、弱みを握られている自覚を持ちましょう。遊ぶなら自分のお金が基本です。
②カラオケしていたら、警察が…(ベトナム/ハノイ)
→2022年後半から2023年頭にかけて、カラオケ店舗で火事が相次ぎ、死亡者も出ていたことから、いくつかある日本人御用達のエリアの1つが消防法の兼ね合いから取り締まりが非常に厳しくなっています。ガールズバーまでは可、でもカラオケはNGという線引きがあるようです。
店舗も店を開け、ネオンを付けて派手に営業をしている形は取っておらず、シャッターを下ろし、コソコソと営業しているとこともあります。私服警察が巡回しており、乗り込まれたという話も聞いています。警察絡みの問題は時間がかかりますので、予定通り帰国できなくなる危険性もありますし、そもそも多方面に甚大な迷惑をかけますので、健全に遊ぶようにしましょう。(遊びたい方は自己責任です)
SAVE大百科
- はじめに
- 関係者の 人材育成のために
- a 技能実習
- a1引き合い~配属
- a2 技能実習開始~訪問~技能検定
- a3 技能実習2号移行
- a4 技能実習3号移行
- a5 帰国
- a6 特定技能への移行
- a7 失踪
- a8 途中帰国
- a9 外国人技能機構の実地検査への対応
- a10 優良認定
- a11 技能実習生の日本語教育
- a12 一年職種ケースについて(非移行対象職種)
- 心構え
- 技能実習
- 特定技能
- b 特定技能
- b1 基本的なビジネスの枠組みの理解
- b2 受注前の説明と確認
- b3 基本支援10項目について
- b4 入管等への届出
- b5 その他 (特定技能)
- 外国人雇用の枠組み
- c トラブル
- c1 制度上リスクの高いトラブル
- c2 言い訳としてよくあるパターン
- c3 色々なトラブル
- c3-1 研修センターで
- c3-2 帰国したい! 会社を変わりたい!
- c3-3 賃金、処遇
- c3-4 金銭トラブル
- c3-5 寮社宅、通勤、生活
- c3-6 恋愛、妊娠、売春、不倫、パパ活
- c3-7 企業での実習・就労中に
- c3-7-1 指示命令を理解しない、理解しても従わない
- c3-7-2 仕事の習得が遅い
- c3-7-3 ミスが多い
- c3-7-4 態度が悪い、休憩が長い
- c3-7-5 遅刻が多い、欠勤が多い(無断、事前両方)
- c3-7-6 日本人が怒るので怖がる、日本人に聞いても無視される
- c3-7-7 外国人同士で集まってしまう、すぐに外国語で話を始める
- c3-7-8 ストライキを始めた
- c3-7-9 実習指導員がきちんと指導ができない、指導をやらない
- c3-7-10 生活指導員がきちんと指導ができない、指導をやらない
- c3-7-11 支援責任者、支援担当者の支援が不十分もしくは何もしない
- c3-7-12 日本人が外国人をイジメていた
- c3-7-13 日本人がパワハラしていた
- c3-7-14 日本人がセクハラをしていた
- c3-7-15 実習生が日本人社員に言い寄って、社員が困っている
- c3-8 健康
- c3-9 死亡
- c3-10 犯罪
- c3-11 企業の法令違反、違法行為を見つけた場合
- c4 最近のモンスター問題
- c5 実習実施者、受入機関とのトラブル
- c6 送出機関とのトラブル
- c7 その他の在留資格のトラブル
- トラブル
- 外国人雇用をお考えの皆様へ簡単なご説明
- d 人材育成
- 人材育成
- e 事業設立(事業を始めたい)
- 事業を始めたい
- f 送出国と送出機関
- 送出し国と送出し機関
- g リンク&マニュアル・チェックシート各種
- 役立つリンク
- h その他のおまけ
- h1 ビジネスと人権
- h2 国際結婚
- h3 子どもができた時
- h4 安い航空チケット
- h5 海外旅行時知っトク情報
- h6 笑い話のようなアルアル話
- h7 ブローカー(海外・国内)
- h8 悪徳団体やブローカーってどんな事やっているの?
- h9 JITCO(公益財団法人 国際人材協力機構)
- h10 管理ソフト
- h11 国によって違う手続きルール
- h12 現地国の関係法令/ポイント/支払う費用の相場/本人負担の手数料等/送出機関選定)
- h13 年金脱退一時金
- h14 債務超過(監理団体/実習実施者)
- h15 サービス会社(書類作成・保険共済・住宅関係・海外送金・日本語教育・給与前払い…)
- h16 講習施設の選び方
- h17 地方の面白い対応、都市部の面白い対応
- その他の情報
- 終わりに