基礎級、初級と圧倒的に違うのは「試験のレベル」です。

実技試験の内容も複雑な場合が多く、練習を繰り返しておかないと合格は難しい試験レベルです。
学科に関しても基礎級初級とは比べ物にならないほど難しいため、勉強は計画的に行いましょう。

特に企業で試験を行う場合、機械金属関連やその他職種の場合は企業の設備で試験ができるかどうか?の確認は必ず行ってください。職種作業は一致していたとしても規模や工程の違いにより試験で必要な設備がない場合もあります。
例えば、プラスチック成型のブロー成型は基礎級の試験はペットボトル型試料の寸法計測ですが、随時3級の場合は、同じくペットボトル型完成品金型の取り付け取り外し作業となり、適用する機械がないと試験の実施すらできない状況に陥ります。
(完成品が大型の場合、金型も大型となり、取付取外しが単独では不可能です)

基礎級や初級試験と違い、随時3級は不合格でも影響が小さいからなのか、不合格率は高い傾向にあります。

※経験則的な表現になりますが、1年目はさすがに不合格にするのは忍びないので、様々な職種作業において、検定中のちょっとした指導も含め、審査が甘い方(1年目で不合格の人材もいます)ですが、この3年目、2度目の検定では、そのような甘い審査はありません。


よく企業からは3号に進まないから受験の必要ないと言われることがありますが、この試験は任意ではありませんので注意しましょう。

※受入先によっては、「3年間で人材を入れ替え入れ替え、回していこう」という判断の下、しっかりと合格基準まで指導せずに、流して終えようとする先もあります。しかし、技能実習生本人にしてみたら、自分の将来の「貴重かつ高額となる大事な権利」にほかなりません。受入先にとっても、きちんと合格させることが、その先の外国人技能実習機構の信用を勝ち取ることにもつながっていきます。(技能実習を十分なレベルまで指導できない受入先との判断になります)

試験合格へのコツ

実際の試験時に緊張や練習不足でスムーズにいかないことは仕方がありません。しかし試験官は結果だけでなく姿勢も評価していただける部分がありますので、以下の部分まで指導できると合格の可能性が上がります。

・試験官に対する大きな返事と笑顔
・1つ1つの実技試験を連続的に行うのではなく、区切って行わせる

例)〇〇作業を行います
例)〇〇を使用させていただきます
例)〇〇の作業を終了します

実習実施者の中には、試験内容は十分に指導していますが、このように肝心な「試験」であることの指導が欠けている方々が目立ちます。特に実技試験に関しても制限時間が設けられていますので、日頃の実習(作業)同様、技能実習生が勘違いをして、早い=良いと制限時間を十分に活用せず、事前指導した内容を披露することに必死になります。

制限時間を超過しなければ減点になることはありません。制限時間を十分に使用し、1つ1つの作業を丁寧に披露していくことは、試験管の印象を高め、多少の失敗をカバーしますし、試験官への監理団体・実習実施者の印象も高めることができます。

「取り敢えず合格したから良い」

監理団体・実習実施者の目指すべき姿勢が顕著に現れる場面が、技能検定となります。

試験合格へのコツ2

優良な監理団体・実習実施者では、事前に技能実習生に対し、受験だけではなく、試験官の一言一句の質疑内容、学科試験の内容まで記憶するよう指導しております。

試験終了後、記憶が薄れぬうちに技能実習生より試験の内容を聞き出し、試験内容を蓄積していきます。

試験官に対しても丁寧な挨拶と良好な関係性を構築して、「合格」という結果だけではなく、より高いレベルでの合格を目指したいことを伝え、受験時の総評を聞き出します。

このような対応にて独自の受験対策用のマニュアルが完成し、次回以降の試験対策に反映します。

学科試験問題は、職種認定を受ける際に5パターンは準備されますので、いつ、どの問題が出題されても対応できるような訓練が必要となります。

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