在留資格そのものの成り立ちを理解しておくと、相対的、比較的に、特定技能という在留資格の位置づけがわかりやすく、つかみやすくなります。
ここでは別の在留資格から、色々と見ていきます。
※在留資格一覧表(日本で行う活動内容に応じた在留資格(就労・留学・家族滞在など)/身分や地位に応じた在留資格(永住者・日本人の配偶者や子))
0.大前提
日本国では、この地で暮らす主権者である日本人を守るため、社会秩序を健全維持していくうえで、外国人の在留については、様々な制限をしています。
正確には一概にはくくり切れないのですが、大きくは『就労系』と『身分系』と言われる2種類に分かれます。
特定技能はもちろん、『就労系』の在留資格の一つですが、他にも多種類の就労系在留資格があります。
※以下、『就労系』にて、よく相談されたり、提案したりする場合の代表的な在留資格を抜粋してみます。
※身分系については、長くなりますので、ここでは割愛させていただきます。
1.「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる技人国ビザ)
いわゆる就労系在留資格の代表格です。
一般的には、「大卒」、「習得した専門分野が活かせる/または外国人ならではの職種、業務」、「業界、地域、資格に見合う給与設定」、「受入企業側の信用」などを満たす場合に、在留資格が認められます。
なお、要件さえ満たしていれば、在留期限の制限はありません。(要更新)
※上記リンク先にありますように、様々なケースがありますので、ケースバイケースにて詳細は確認する必要があります。
★特定技能との代表的な相違点
・対象となる外国人材は、大卒か否か。
・給与設定は大卒新卒レベルに準ずる。
・在留期限の制限はない。
2.「技能」
こちらではよく、この「技能」と「技術」との言葉の定義、概念、理解の相違が混乱を招きがちです。
ここで言われる「技能」とは、前出の技人国と違い、「個人の経験に基づいた専門性」,いわば職人さんとしての仕事をする場合に該当する人材のことを言います。
ただし、とても限定的です。技能実習や特定技能のように、認められる職種などがハッキリしていて、
・調理師(基準1号)
・建築技術士(基準2号)
・外国特有製品の製造・修理(基準3号)
・宝石,貴金属,毛皮加工(基準4号)
・動物の調教(基準5号)
・石油,地熱等掘削調査(基準6号)
・航空機操縦士(基準7号)
・スポーツ指導者(基準8号)
・ワイン鑑定士(基準9号)
の9種類のみが認められます。
★特定技能との代表的な相違点
・限定分野においての個々の経験値で主に判断される。
・在留期限の制限はない。
3.「企業内転勤」
こちらもよく引き合いに出てきます。この受入の手段はとれないものか…と。
この在留資格では、主に受入企業側の信用や事業規模、実績などが大きく問われます。
中小零細企業では、ほぼ困難不可能と言わざるを得ない在留資格です。
それでもトライされたい方は、コチラからご参照ください。
★ミニ知識:受入企業のカテゴライズ
特に就労系の在留資格では、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3と、3段階に分けて、受け入れる企業の審査が違います。
良い悪い抜きに、大企業であればコンプライアンスも守られている可能性が高いため、審査手続きが優遇されています。
同様に、中小零細企業の場合、これらに要する立証書面は膨大になります。
4.「介護」
特定技能の「介護」分野において、特定技能2号が設けられないのは、この在留資格があるからです。
日本での長年の出稼ぎや、定住、定着までを希望してくれる外国人材においては、技能実習並びに特定技能の就労期間中に、この在留資格への挑戦と合格を目指すべく、継続した教育、指導、支援が必須となります。
資格要件:国家資格「介護福祉士」合格者(もちろん給与設定や受入先の信用立証も必須です)
5.特定活動
この在留資格は、特別なケースにおいて、様々認められる臨時的な在留資格となります。
特定技能において主な活用事例とすると、
・技能実習などの他の在留資格から、日本在留中に、特定技能への変更を希望する場合、手続きに時間がかかるため、その間をこの特定活動資格へいったん避難し、在留資格を維持する時間を確保しつつ、特定技能と同等条件での就労許可を求める場合
に使われます。
※なお、看護&介護のEPA、インターンシップや、ワーキングホリデーなども、この在留資格部類の中に当てはまります。
※高度専門職(高度外国人材)
主に上記就労系の各種在留資格の中でも、特に高給待遇=その在留価値がとても高いと判断される人材に限り、優遇措置が設けられている在留資格となります。
※コレも一言ではとても伝えきれない詳細ルールがありますので、関係先ページをご参照ください。
★留学
こちらも昔からとても多くの問題を内包した在留資格です。
本来「学業の習得」が目的ですが、生活支弁の助けとなればと、週28時間の資格外活動を認められているがゆえに、届け出の後、限定的ながらアルバイトが可能です。
特定技能制度の創設以来、働くならば特定技能でと、大きな流れでは留学の在留許可も厳しくなっています。
安定した外国人労働者の持続的な受入を望む場合は、この留学生のアルバイト採用には、十分な注意が必要です。(監理、支援する側も)
就労系と一言で言っても、これだけ建てつけ方が違います。概念を理解するまでに慣れや経験が必要かもしれませんが、その前知識となりましたら幸いです。
※他にも「経営・管理」や「短期滞在」、「研修」などが、時と場合によって活用されるケースもあります。
SAVE大百科
- はじめに
- 関係者の 人材育成のために
- a 技能実習
- a1引き合い~配属
- a2 技能実習開始~訪問~技能検定
- a3 技能実習2号移行
- a4 技能実習3号移行
- a5 帰国
- a6 特定技能への移行
- a7 失踪
- a8 途中帰国
- a9 外国人技能機構の実地検査への対応
- a10 優良認定
- a11 技能実習生の日本語教育
- a12 一年職種ケースについて(非移行対象職種)
- 心構え
- 技能実習
- 特定技能
- b 特定技能
- b1 基本的なビジネスの枠組みの理解
- b2 受注前の説明と確認
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- b5 その他 (特定技能)
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- c3-7-10 生活指導員がきちんと指導ができない、指導をやらない
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