労働基準監督署における現場調査が行われなければ発覚しない是正事項ですが、技能実習生の受け入れを行っている受入企業に限らず、「事業所の●割で法令違反」と報道される実態として、最も指摘を受ける項目の1つとなっております。

「労災安衛法」違反の指摘に関しては、日本人従業員も危険な環境で作業が行われている状況であり、決して技能実習生だけが危険な状況に晒されている、技能実習生を受け入れる企業だけが違反している状況ではないことが、マスコミの偏向報道により誤解を受けるような解釈を与えております。

しかし技能実習生(外国人材)に対して労働災害が発生するようなことがあれば、国際世論にまで発展する可能性もありますので、技能実習生を受け入れる企業においては、日本人のみの職場以上の緊張感を持つ必要があります。

技能実習生が実習を行う際は、語学力(日本語能力)も低いため、言った・言わないではなく、正しい作業方法を見せ、実施できるまで繰り返し見守ること、可視化された母国語併記の資料を用意するなど、万全な体制を構築する必要があります。

外国人材の場合、目を離すと、今まで実施できていた作業も、いつの間にか自分勝手な方法を取る場合もありますので、技能実習指導員に任命された方は、技能実習生の作業に対し監視を怠らないようにして下さい。


計画認定取消   危険度:☆☆☆☆☆
監理団体許可取消 危険度:☆☆☆☆
訴訟リスク       :☆☆☆

 技能実習生に対しては、日本人以上に厳格な労災安衛法の運用が企業側に求められます。機構や入管、労基署もこの点に関しては適切に処理されているか?詳細に調査します。

労災該当で発生した事故や怪我については必ず労災での処理を行い、企業と監理団体で情報の共有を行っておきましょう。
企業で起こった労災案件については対象が実習生でなくても監理団体は把握しておく必要があります。監理団体は是正報告書の写しを入手して置くことをお勧めします。
また、念のため監査報告書にも記載しておいたほうがいいでしょう。

労災で死亡、後遺障害が残った場合では、労災の補償内容だけでは実習生側が納得しない場合もありますので、労災の上乗せ保険(企業保険)の加入があると安心です。

職種によっては、仕事を始める前に特別教育や技能講習が必要な職種もありますので、必ず実施しておきましょう。

また、特別な健康診断が必要な職種もあります(例:塗装)ので受診項目にも注意が必要です。

そもそも会社で雇用している従業員が対象になりますので、きちんとした運用を行うことが肝要です。


 実習実施者が大手の場合、複数の工場を有している場合があります。
 例えば技能実習生を“受け入れていない”工場で労働災害が発生し“日本人従業員”が負傷し、安全衛生法違反による罰金刑を受けた場合であっても実習実施者として一つの法人として捉えられ、他の工場にいる技能実習生も全て認定取り消しとなる可能性があります。

 技能実習生を受入れて頂く前に実習実施者にはそのリスクをきちんと伝えると共に、当該企業における過去の労災事例等もヒアリングを行うようにしましょう。


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