日本人同様、ある日突然通知というわけにはいきません。人員整理に至る前に、やむを得ない事情により人員整理が発生する可能性を示唆するよう説明、理解をしてもらう必要があります。
また人員整理を決める際、人員整理を行う理由、整理人材の選定理由などが合理的理由であるかなど確認を行い、労働基準法に基づき、必ず30日以上前までに告知を行います。
告知ができなかった場合、更に企業は従業員に対し解雇予告手当を支給する必要がありますので、士業専門家に相談をされると良いでしょう。
特定技能所属機関の都合により、特定技能外国人との雇用契約を解除した場合、特定技能所属機関または登録支援機関は、次の支援を行う必要があります。
・1号特定技能外国人が求職活動を行うための有給休暇を付与すること
・離職時に必要な行政手続(国民健康保険や国民年金に関する手続等)について情報を提供
すること
同時に、次の支援のいずれかを行う必要があります。
・所属する業界団体や関連企業等を通じて、次の受入先に関する情報を入手し提供すること
・公共職業安定所その他の職業安定機関又は職業紹介事業者等を案内し、必要に応じて1号特定技能外国人に同行し、次の受入先を探す補助を行うこと
・1号特定技能外国人の希望条件、技能水準、日本語能力等を踏まえ、適切に職業相談・職業紹介が受けられるよう又は円滑に就職活動が行えるよう推薦状を作成すること
・特定技能所属機関等が職業紹介事業の許可又は届出を受けて職業紹介事業を行うことができる場合は、就職先の紹介あっせんを行うこと
特定技能所属機関が自ら1号特定技能外国人支援の全部を実施することとしている場合で、倒産等により、転職のための支援が適切に実施できなくなることが見込まれるときは、それに備え、当該機関に代わって支援を行う登録支援機関等を確保する必要があります。
一方、登録支援機関側の立場としては、特定技能所属機関が倒産等となった場合は、特定技能外国人から直接「給与が振り込まれていない/会社に鍵がかかったまま入場できない/社員が誰も出社してこない…等」の連絡が入ることがあります。
この場合はすぐに特定技能外国人を保護下に置き、未払い賃金が無いか(未払賃金立替払制度が利用出来るか)、国民年金/国民健康保険への切り替え(減免が使えるか)、失業手当の受給要件の確認、住宅の契約状況・電気ガス水道WIFIの解約等の手続きを支援すると共に、移籍先をあたることとなります。
ハローワーク等ではなかなか要件を満たす新たな特定技能所属機関が見つからない場合は、民間事業者のマッチングサイトを活用し、一日でも早く特定技能外国人本人が安心して就労出来るよう支援を行いましょう。
特定技能外国人の解雇は、特定技能所属機関がいつでも自由に行えるものではなく、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は労働者を辞めさせることは出来ません(労働契約法第16条)。
特定技能外国人を採用した企業の声として「思ったほど日本語が出来なかった…/勤務態度に問題がある/指示に従わなかった…ので、解雇したい」というケースがありますが、1回の過失で解雇が認められる訳ではなく、様々な事情が考慮されて解雇の正当性を判断されます。
下記の場合は法律で解雇が禁止されています。
<労働基準法>
・業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間の解雇
・産前産後の休業期間とその後の30日間の解雇
・労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇
<労働組合法>
・労働組合の組合員であることなどを理由とする解雇
<男女雇用機会均等法>
・労働者の性別を理由とする解雇
・女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後の休業をしたことなどを理由とする解雇
<育児・介護休業法>
・労働者が育児・介護休業などを申し出たこと、又は育児・介護休業などをしたことを
理由とする解雇
尚、特定技能制度においては原則として、特定技能外国人を非自発的に離職させた場合、解雇を行った日から1年間は特定技能外国人を雇用することは出来ません。また、特定技能雇用契約を締結した後も非自発的離職者を発生させていないことが求められます。
また、期間の定めがある契約については、あらかじめ特定技能外国人はやむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間の途中で労働者を解雇することはできません(労働契約法第17条)。
b3-9-1-1 実際の支援の仕方について
外国人材にとって、異国の地で新たな就業先を見つけることは容易なことではありません。よって義務的支援として、所属する分野別協議会、ハローワーク、求人媒体、友人関係など、ありとあら...
続きを読むb3-9-1-2 ポイント
明確な記載はありませんが、新たな受入先が見つかるまでの間、宿舎費用の控除、光熱費の負担など特定技能所属機関(受入企業)は誠意を示すことが望ましいと思います。Wi-Fi環...
続きを読むSAVE大百科
- はじめに
- 関係者の 人材育成のために
- a 技能実習
- a1引き合い~配属
- a2 技能実習開始~訪問~技能検定
- a3 技能実習2号移行
- a4 技能実習3号移行
- a5 帰国
- a6 特定技能への移行
- a7 失踪
- a8 途中帰国
- a9 外国人技能機構の実地検査への対応
- a10 優良認定
- a11 技能実習生の日本語教育
- a12 一年職種ケースについて(非移行対象職種)
- 心構え
- 技能実習
- 特定技能
- b 特定技能
- b1 基本的なビジネスの枠組みの理解
- b2 受注前の説明と確認
- b3 基本支援10項目について
- b4 入管等への届出
- b5 その他 (特定技能)
- 外国人雇用の枠組み
- c トラブル
- c1 制度上リスクの高いトラブル
- c2 言い訳としてよくあるパターン
- c3 色々なトラブル
- c3-1 研修センターで
- c3-2 帰国したい! 会社を変わりたい!
- c3-3 賃金、処遇
- c3-4 金銭トラブル
- c3-5 寮社宅、通勤、生活
- c3-6 恋愛、妊娠、売春、不倫、パパ活
- c3-7 企業での実習・就労中に
- c3-7-1 指示命令を理解しない、理解しても従わない
- c3-7-2 仕事の習得が遅い
- c3-7-3 ミスが多い
- c3-7-4 態度が悪い、休憩が長い
- c3-7-5 遅刻が多い、欠勤が多い(無断、事前両方)
- c3-7-6 日本人が怒るので怖がる、日本人に聞いても無視される
- c3-7-7 外国人同士で集まってしまう、すぐに外国語で話を始める
- c3-7-8 ストライキを始めた
- c3-7-9 実習指導員がきちんと指導ができない、指導をやらない
- c3-7-10 生活指導員がきちんと指導ができない、指導をやらない
- c3-7-11 支援責任者、支援担当者の支援が不十分もしくは何もしない
- c3-7-12 日本人が外国人をイジメていた
- c3-7-13 日本人がパワハラしていた
- c3-7-14 日本人がセクハラをしていた
- c3-7-15 実習生が日本人社員に言い寄って、社員が困っている
- c3-8 健康
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- c3-11 企業の法令違反、違法行為を見つけた場合
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- トラブル
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- 人材育成
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- h12 現地国の関係法令/ポイント/支払う費用の相場/本人負担の手数料等/送出機関選定)
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- h14 債務超過(監理団体/実習実施者)
- h15 サービス会社(書類作成・保険共済・住宅関係・海外送金・日本語教育・給与前払い…)
- h16 講習施設の選び方
- h17 地方の面白い対応、都市部の面白い対応
- その他の情報
- 終わりに