2号が終了する前までに、終了後の進路はどうするか?は決めておかなければいけません。

3号に移行するのか?
特定技能に進むのか?
帰国するのか?


の3択になりますが、帰国を選択する技能実習生は大抵の場合、帰国意志が固い場合が多いです。

長く働いて欲しい受入先がすべきこと

1年目、入国半年後、1年目の技能検定が見えてきた頃(配属後の生活サイクルにも慣れて少し落ち着いて考えることができる頃)から、
「少し早いけれど、3年(1年ないし5年)が期間満了した後の自分の将来も考えていこう」
と、定期的に声をかけ続けるコトです。

また、1年経過したら、2年経過したら…3年、5年、その先と、技能実習生の前に、明確な道(諸条件)を「選択肢」として、先回りして提示していきましょう。その際、具体的に客観的に、ハードルを明確にすることが大切です。(当然、提示する前に、受入先との協議のうえでの合意(約束)が必要です)

例)・1年経過後、1時間で100個組み立てるA作業を、6カ月間、一つのミス(ロス)を出す事なく
   全うできた場合、時給換算で50円UPします。

  ・3年経過後、A作業のみならず、B作業でも同様に全うした場合、時給換算で100円UPします。

他にも、賃金を上げる以外に、寮を個室対応に切り替える、その諸経費は会社が負担する…、家賃を1万円補助する…、1カ月間のリフレッシュ休暇取得の権利を往復の航空券付きで与える…なども可能ですが、法的には同一労働同一賃金として、就業規則の賃金規定に沿った評価を提示すべきでしょう。(顧問社労士がいる場合は要相談)

★ポイント
「少しずつ、声をかけ続けること」です。いきなり答えなんて出せる人材は多くいません。むしろ慎重に時間をかけて、家族とも話し合い、腹をくくった答えを自分で決められるように、指導してくと良いでしょう。


3号に移行する場合は、技能実習生と受入企業が待遇面での折り合いをつけることが必要です。

特定技能に進む場合は、技能実習として受け入れしてきた企業で特定技能に進むことがベストです(特定技能職種があれば)。同企業で技能実習生と企業がお互いに同意できる場合は、3年間の技能実習は成功したといってよいでしょう。

地方の場合は給与面で大都市には及ばないため、特定技能で他企業に進むことは否定できません。しかしながら給与面より慣れ親しんだ実習先に魅力を感じてくれる技能実習生もいます。そんな技能実習生は大事にしていきましょう。

進路に関しては2号終了の半年前位から答え(進路)を詰めていきましょう。技能実習生は一度決めたとしても直前まで自分が得をする方法を探しますので、その点は致し方ないと理解し、諦めましょう。

(技能実習3号の申請、特定技能の申請は、在留期限の3ヶ月前から(技能実習2号修了予定)申請をすることができます)

ポイント
家族とのつながりが一般的な日本人よりもかなり強い送出国の外国人は、当初の目論見のほとんどが「期間限定の出稼ぎ」です。
最初から3年後に特定技能へ移行し、特定技能2号まで進むほどに長く働いて欲しい人材を求める場合は、募集の時点で送出機関と協議しましょう。
ただし、人は心変わりをするものです。本当に居心地がよく、迎え入れてくれていて、賃金も生活も満足の行く提示条件などであれば、提示してくれた企業に対し、信頼感と親近感を強く持ってくれる人材も、真剣に自身の将来を考える外国人もいますので、しっかり対応していきましょう。

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