ミスの多さは注意力不足、性格面の問題に起因します。
このような資質の問題は、海外面接時にも見抜くことも可能ですし、来日後に発覚した場合は、目標時間・生産数量を定め、該当作業の習得を繰り返しミスが無いレベルで実施できるようになるまで、次の作業に移行させず従事させる必要があります。

小さいミスとは言えず、受入企業に甚大な影響を及ぼす品質の問題、労災にまで発展するような危険行為のミスの場合、技能実習指導員に該当する方が、片時も目を離すことなく作業を見守るしかありません。

放っておいても、想像した生産性を発揮する。これは受入企業が勝手に考える「エゴ」です。特に外国人材の場合は、集中力が続かない人材も多く、先ほどまで問題が無かった作業も、一度目を離すと想像もしていないミスを犯している場合もあります。

よって指導の際は、「丸投げ」という行為は避け、あくまでも「権限移譲」。作業の行程、仕上がりには注意を配る必要があります。


安全に対する認識の違いがあると述べましたが、出来上がり具合に対する認識の違いも非常に大きいです。
どんな職種、どんな作業であっても、日本は不良品をはぶき、商品として完璧な物を卸す・納品・販売しています。
一方、送り出し各国の場合、80%ぐらいの質であっても“商品”として認められます。
家屋の塗装一つとっても、はみ出るのは当たり前、塗料がその辺に飛んでるのも当たり前、少しぐらいの傷や汚れも問題ないと認識されることが多く、日本の基準ではミスであっても、母国の基準ではミスに当たらないということもありえます。
製造業の場合、目指すべき完成品とこれ以外は認められない理由、もし不良品や傷物・汚れ等を出荷してしまった場合の実害等を通訳を交えてきちんと事前に伝えておきましょう。
建設業等の場合も同じく、まずは目指すべき仕上がりを理解させ、汚れ・傷・はみ出たりしたものをそのまま引き渡した場合の実害等を伝えておきましょう。


これもまず日本語の理解(作業内容の正解)を理解しているかどうかの確認をしましょう。
性格的に大雑把な人間はどこの国でもいます。
ミスはある程度仕組みで防止できます。日本の企業はそのノウハウを持っている企業は多いのでミスが起こらない仕組みづくりを企業が考えてあげることが大事です。


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