入国講習施設に講習を委託した場合、ゴミの分別方法の指導は行いますが、有料ゴミ袋の種類、ゴミの回収日までは、個別対応で指導することが不可能になります。

この指導に関しては、受入企業の「生活指導員」が行うことが一般的です。

それでも問題となるのが技能実習生の出勤・退勤時間とゴミの回収時間が不一致する問題です。

地域における指導が厳しく、前日から投棄することが許されない。出社時間が早く、指定された時間範囲で投棄できない。細かな投棄物まで内容確認され近隣苦情が入るなど、外国人に対し偏見のある方が住む地域では必要以上な監視を受ける場合もあります。

お勧めの方法は、生活状況の変化に気が付くためにも、ゴミの投棄は地域の回収には参加せず、受入企業に持参させて、社内で分別投棄させることをお勧めします。

社内のゴミの量が増える、家庭ごみの持ち込みは…と困惑する方もいると思いますが、地域のゴミ回収環境との兼ね合いの問題です。

特に地域回収で問題が無ければ良いのですが、技能実習生が規則を守る意思があるのに、現実的に規則を守ることが不可能、監視の目が必要以上に厳しい場合などはお勧めです。


ご近所トラブルBest3に入るのがゴミ問題です。多くは、外国人の分別不足・ゴミ出し日の間違い等に起因することが多いです。技能実習生が意図的にやっているわけではなく、ゴミの分別をする文化がない国から来ていることが挙げられます。国によっては、清掃業者がいる為、家の前や店の前に分別一切なしでゴミを置いておけばいい、ゴミ回収箱・カートに放り捨てておけばいいところもあります。好きでご近所トラブルを起こしているわけではなく、「知らない」ことが原因になっている場合がほとんどです。

解決策⓪:大前提の教育

日本という国がゴミの分別にうるさい国であることを口酸っぱく指導すること。「送り出し機関が教えているはず…」「入国後法定講習でやったはずでは…」という他力本願なことを言わないように注意しましょう。日本人でも新しい土地に移り、その土地のゴミ分別・収集ルールを把握するのは骨が折れる作業です。ましてや、全く文化の異なる国から日本へ来たばかりの技能実習生が、数時間の講習で完璧にできるほうがおかしな話です。配属時、定期監査時に事あるごとにチェックし、慣れさせていく必要があります。

解決策①:各市町村役場が公開している外国語の分別チラシを活用する

各市町村大なり小なり外国語のチラシを公開していますので、まずはHPを確認してみましょう。以下は例です。

福岡市【ゴミ分別チラシ(ベトナム語)】

名古屋市【ゴミ分別チラシ(ウルドゥー語)】

解決策②:市町村役場HPに希望する言語が公開されていない場合は翻訳を・・

監理団体の通訳が翻訳をしましょう。或いは、送り出し機関に依頼することも1つの方法です。但し、本来、送り出し機関の業務ではないので、頼み方には気を付けましょう。送り出し機関も「あの監理団体、通訳もいないのか」と感じることは多々ありますし、今後の付き合いにも影響してしまいます。


ゴミの問題は騒音と並び最も多い近隣住民とのトラブルです。ゴミ出しのルールを繰り返し教え込み守らせることが重要です。
ただでさえ外国人のみの居住に関しては近隣住民が厳しい目で見ることが多いので一層の注意が必要なことを企業も理解しておかなければいけません。
新規の実習生の場合はゴミ出し前に日本人がチェックしておくくらいの心配りが必要です。


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