入管に所定のチェックシートがありますので、記載内容はきちんと確認しましょう。

問題は、毎回、変わりはないと”おざなり”に済ませてしまうことです。

その場合、どれか一つの項目だけでも注目し、色々と派生させて、話を深掘りしてみる良い機会としてみましょう。

例えば…

特定技能外国人向け

雇用契約と異なる業務に従事していないこと。
・指定された=分野協議会が定めている業務外の業務をしていないかどうか…
・就労場所が申請書面に記載のない場所で業務についているか否か…
・雇用条件に記載のないシフトでの労働についているかどうか…

旅券・在留カードを自分で保管していること。
・今目の前で在留カードを所持しているかどうかの確認
・寮に訪問した際、パスポートは手元にあるかどうかの確認
・同胞、知人、友人であっても、どれだけ頼まれても貸与すると犯罪共犯者に陥るなどのリスク説明

健康状態に異常がないこと。
・暑さ寒さに体調を崩す生活をしていないかどうか(例、夏場はエアコンの使い方、水分や塩分の定期的な補給、食事状態など)
・休日、どのように過ごしているか…、会社の日本人同僚との交流や、近隣の同胞などと接している様子などの話を聞き出す(メンタルヘルス的視点)
・異性との交流、接点などをさりげなく確認(交際や妊娠などの異性間トラブルの確認)

などなど18項目ありますので、どれか一つ掘り下げたり、派生させたりして、話を聞き出すキッカケ題材として活用してみると良いでしょう。

監督者向け

休日,休暇等を適切に付与していること(一時帰国休暇を含む。)。
・残業時間はおろか休日出勤を連続させていると結果困るのは監督者…(外国人からの希望があっても長時間労働は許容されない)
・外国人だけに一時帰国を望む機会に対する準備や体制作り…(拒むと転籍、転職、離職リスクとなり、ユニオンから追及される)
・監督者として休日、休暇部分における社内の就業規則の内容確認や必要に応じた再整備の必要性指摘

暴行・脅迫・監禁等の不法行為を行っていないこと。
・指示命令に従わない場合の叱責は、その仕方や受け止める側によってはパワハラと取られるリスク
・監督者自身のみならず同僚の方であっても、手や足などが出た場合、即刻、人権侵害案件として通報せざるを得ないルールの説明
・その他、長時間労働や配置転換なども含めた、強制的な行為による反動のリスク

健康診断を定期的に実施し,健康状態に異常がないことを確認していること。
・日本人のみならず外国人は特に「大丈夫です…OK…」としか返さない場合が多いので、注意が必要(労災事故リスク回避)
・どれだけ繁忙時期が続こうとも、ルール上の期日までの健診とその結果確認を怠らない事
・具合が悪い場合は監督者自ら寮にまで足を運び、食生活や睡眠状態などまで話を聞くだけのフォローがとても有効であること

などなど、監督者という立場に応じた説明や指摘を常に前もって伝えていくことが大切です。特に個別具体的な事例を多用し、監督者自らが指摘を有効に活用できるように工夫して対応しましょう。

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