概要とポイント

  • 監理団体が協同組合の場合、新規の実習実施者に対して技能実習制度の説明をする際に注意すべき点があります。団体監理型の技能実習では、団体(協同組合等)の構成員(組合員)でなければ技能実習生を受け入れることが出来ません。
  • 新規の実習実施者が組合に加入できるかどうかは自組合の定款の内容で判断します。

定款記載の「地区」「組合員の資格」と合致する場合

①自組合の定款内の「地区」・「組合員の資格」を確認
②新規実習実施者の“登記簿”記載の本店所在地”と“目的”を確認
③ヒアリング時や企業HPにて主たる事業を確認
④定款「地区」と登記簿「本店所在地」が合致していれば、地域的に問題なし
⑤定款「組合員の資格」と企業の「主たる事業」が合致していれば、資格的に問題なし
⑥地区、組合員の資格ともに定款に記載されていれば、(組合所定の)加入申込書等の提出(面談等)をもって理事会で承認→出資金振り込みをもって組合員に加入となります。
⑦必要に応じて、出資証券等を発行し、経理処理を行ってください。

※いわゆる同業他社が既に組合員にある場合は恐らく資格として問題はありません。
※上記“組合員の資格”と“技能実習の受入職種”とは必ずしも合致しません。 定款に記載されている資格は、あくまでも当該企業の主たる事業を“日本標準産業分類”の小分類(または細分類)で記載されています。
一方、技能実習の受入職種については「技能実習計画審査基準」に合致しているか否かで判断されます。
特定技能でも発生しますが、日本産業分類と技能実習の職種作業の分類は完全一致はしていません。

   日本標準産業分類HPリンク先:  http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000023.html

新規の企業が産業分類の何に該当するかは日本標準産業分類の業種分類ごとに“説明および内容例示”を確認しながら定款と照らし合わせを行ってください。それでも不明であれば、都道府県中央会や管轄官庁に相談してください

定款記載の「地区」「組合員の資格」と合致しない場合

①自組合の定款内の「地区」・「組合員の資格」を確認
②新規実習実施者の“登記簿”記載の本店所在地”と“目的”を確認
③ヒアリング時や企業HPにて主たる事業を確認
④定款「地区」に登記簿「本店所在地」が含まれていない場合定款変更が必要となります。
  現在の状況(管轄官庁等)により、定款変更に時間が数か月かかる場合があるので、受け入れ時期の説明にご注意ください。
⑤定款「組合員の資格」に企業の「主たる事業」が含まれていない場合定款変更が必要となります
  現在の状況(管轄官庁等)により、定款変更に時間が数か月かかる場合があるので、受け入れ時期の説明にご注意ください。

最悪、定款変更が認められない場合があるため、「時間がかかるが、受け入れは必ず出来る」等の発言はしないようにご注意ください。

定款変更

※最初に管轄官庁(または中央会)への定款変更の事前相談を行っておいた方が無難です。

①理事会議決:通常総会(または臨時総会)開催
②総会招集手続き(会日の10日前までに到達)
③総会:定款変更の議決
 ※通常総会の場合はその他議決が必要です。
 ※同じく、役員変更があった場合はその議決も必要です。
④管轄官庁への定款変更申請
⑤定款変更認可
⑥変更登記
⑦以上の手続きをもって、地区、組合員の資格ともに定款に記載されることとなるため、(組合所定の)加入申込書等の提出(面談等)をもって理事会で承認→出資金振り込みをもって組合員に加入となります。
⑧必要に応じて、出資証券等を発行し、経理処理を行ってください。
※送り出し機関の追加、監理費表の修正も総会議決となります。

・協同組合の設立趣意・事業内容によっては、異業種の加入が認められないケースがあります。
 事例)介護業で組合設立→設立後に製造業を営む企業の組合員加入の申請→却下・・・設立趣意と異なるため
・現状の管轄官庁が都道府県の場合で他府県を入れる場合(広域団体への変更)、同一業種の協同組合が他業種の組合加入を行う場合(管轄官庁の追加・変更)は認可までに非常に時間がかかるケースがあります。

繰り返しとなりますが、定款外の地区・組合員の資格(特に異業種)を組合員とする場合は、通常の実習計画認定→在留資格申請→VISA申請
の期間に加え、定款変更認可の時間が必要となるため、技能実習生の入国時期について安易に説明しないようご注意ください

 

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